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○保育所運営費の経理等について
(平成一二年三月三〇日)
(児発第二九九号)
(各都道府県知事・各指定都市市長・各中核市市長あて厚生省児童家庭局長通知)
保育制度については、平成一〇年四月施行の改正児童福祉法によって、入所方式が措置制度から利用者による選択利用方式とされ、需要に即した保育サービスの提供が利用者の選択によっても促進される仕組みとされたほか、待機児童の動向に見られるように幅広い保育需要が顕在化するなど、制度をめぐる状況が変化しているところである。こうした状況に対応していくためには、保育サービスの量の拡充及び質の確保を図るとともに、保育所運営の効率化・安定化を進める必要があることから、今般、保育所運営費の経理について、左記のとおりの取扱いを行うこととし、平成一二年度分の運営費から適用することとしたので、貴管下関係機関及び各保育所に対し、周知徹底方お願いする。
本通知に定める運営費の弾力運用は、適切な施設運営が確保されていることを前提として認められるものである。したがって、認可保育所及び保育制度に対する信頼と期待に十分に応えていくためには、保育所においては適切な保育を実施することが求められるとともに、併せて、行政庁においては指導監査の一層の徹底が求められるところであるので、本通知中「四 運営費の経理に係る指導監督」について特に配意願いたい。
記
一 運営費の使途範囲
(一) 保育所運営費(「児童福祉法による保育所運営費国庫負担金について」(昭和五一年四月一六日厚生省発児第五九号の二)第一の一に規定する運営費をいう。以下単に「運営費」という。)のうち人件費は、保育所に属する職員の給与、賃金等保育所運営における職員の処遇に必要な一切の経費に支出されるものであり、管理費は、物件費・旅費等保育所の運営に必要な経費に支出されるものであり、事業費は、保育所入所児童の処遇に直接必要な一切の経費に支出されるものであること。
(二) (一)に関わらず、人件費、管理費又は事業費については、保育所において次の要件のすべてが満たされている場合にあっては、各区分に関わらず、当該保育所を経営する事業に係る人件費、事務費又は事業費に充てることができる。
@ 児童福祉施設最低基準(昭和二三年厚生省令第六三号)が遵守されていること。
A 保育所運営費国庫負担金に係る交付基準及びそれに関する本職通知等に示す職員の配置等の事項が遵守されていること。
B 給与に関する規程が整備され、その規程により適正な給与水準が維持されている等人件費の運用が適正に行われていること。
C 給食について必要な栄養量が確保され、嗜好を生かした調理がなされているとともに、日常生活について必要な諸経費が適正に確保されていること。
D 入所児童に係る保育が保育所保育指針(平成一一年一〇月二九日児発第七九九号本職通知「保育所保育指針について」をいう。)を踏まえているとともに、処遇上必要な設備が整備されているなど、児童の処遇が適切であること。
E 運営・経営の責任者である理事長等の役員、施設長及び職員が国等の行う研修会に積極的に参加するなど役職員の資質の向上に努めていること。
F その他保育所運営以外の事業を含む当該保育所の設置者の運営について、問題となる事由がないこと。
(三) (一)に関わらず、運営費については、(二)の@からFまでに掲げる要件を満たす保育所にあっては、長期的に安定した施設経営を確保するため、以下の積立預金に積み立て、次年度以降の当該保育所の経費に充てることができること。
@ 人件費積立預金(人件費の類に属する経費に係る積立預金)
A 修繕積立預金(建物及び建物附属設備又は機械器具等備品の修繕に要する費用に係る積立預金)
B 備品等購入積立預金(業務省力化機器をはじめ施設運営・経営上効果のある物品を購入するための積立預金)
(四) (一)に関わらず、別表一に掲げる事業等のいずれかを実施する保育所であって、(二)の@からFまでに掲げる要件を満たすものにあっては、当該事業を実施する会計年度において、運営費を(二)に掲げる経費又は(三)に掲げる積立預金への積立支出に加え、民間施設給与等改善費(以下「民改費」という。)として加算された額に相当する額の範囲内で、同一の設置者が設置する保育所に係る別表二に掲げる経費等に充てることができること。
なお、民改費相当額を別表二に掲げる経費等に充当する社会福祉法人(「社会福祉施設における運営費の運用及び指導について」(平成五年三月一九日社援施第三九号)中、「二 運営費等の本部会計への繰入れについて」に定める弾力運用のみを行うものを除く。)については、「社会福祉法人会計基準の制定について」(平成一二年二月一七日社援第三一〇号)に定める社会福祉法人会計基準に基づいて経理処理を行うこと。
二 積立預金及び当期末支払資金残高の取扱い
各積立預金をそれぞれの積立目的以外に使用する場合又は当期末支払資金残高を取り崩して使用する場合は、事前に貴職に協議を求め、審査の上適当と認められる場合は、使用を認めて差し支えないこと。
なお、当期末支払資金残高については、自然災害その他止むを得ない事由によりその取崩しを必要とする場合又は取り崩す額の合計額がその年度の取崩しを必要とする施設に係る経理区分の経常収入計(予算額)の三%以下である場合は事前の協議を省略して差し支えないこと。
三 運営費の管理・運用
(一) 運営費の管理・運用については、銀行、郵便局等への預貯金等安全確実でかつ換金性の高い方法により行うこと。
(二) 保育所以外の施設に係る経理区分又は収益事業等の他の事業に対する運営費の貸付は、年度内に精算する場合も含め認められないこと。
四 運営費の経理に係る指導監督
運営費の経理に係る指導監督については、社会福祉施設に対する指揮監督に係る関係通知と併せ、以下の点を徹底されたいこと。
(一) 設置者から提出された財務諸表及び現況報告書については、厳正に審査確認を行うこと。特に、財務諸表等については、各会計単位ごとの審査はもちろんのこと、各会計単位間及び経年の整合性についても審査を徹底されたいこと。なお、経理の審査に際しては、、「一 運営費の使途範囲」の(二)@からFまでに掲げる要件が充足されているかどうかを併せて確認すること。
(二) 設置者から提出された財務諸表等が以下のいずれかに該当する場合については、別表三の収支計算分析表の提出を求め、「一 運営費の使途範囲」から「三 運営費の管理・運用」までに示された事項の遵守状況を確認すること。特に、「一 運営費の使途範囲」の(二)@からFまでに掲げる要件が充足されているかどうかをはじめ入所児童の処遇の状況を十分に確認すること。
@ 別表二の経費等への支出の合計額が民改費加算額を超えている場合
A 保育所に係る経理区分から、運営費の支出を認めていない経費(配当、役員報酬、土地購入費、他の事業への繰入れ等)への支出が行われている場合
B 運営費に係る当該会計年度の各種積立預金への積立支出及び当期資金収支差額の合計額が、当該施設に係る経理区分の経常収入計(決算額)の五%相当額を上回る場合
(三) 入所児童の処遇等に不適切な事由が認められる場合には、改善計画を徴する等により速やかに当該事由の解消が図られるよう強力に指導すること。これら入所児童の処遇等に係る指摘事項について、改善措置が講じられない場合は、改善措置が講じられるまでの間で貴職が必要と認める期間、民改費の管理費加算分若しくは人件費加算分又はその両者を減ずること。ただし、遡及適用は行わないこと。
(四) 入所児童の処遇に影響を及ぼすような悪質なケース等の場合には、新規入所児童の委託の停止、既入所児童に対する施設の変更の勧奨、事業の停止、施設認可の取消等についても検討すること。また、事案の内容に応じて、以上の措置に加え、当該不祥事の関係者はもちろんのこと、設置主体の責任者、施設管理者等の責任を明確にし、関係者の氏名の公表等も検討すること。
この際、特に必要と認められる場合には、事前に保育所に連絡することなく児童福祉法(昭和二二年法律第一六四号)第四六条第一項に規定する調査を行うことも考慮されたいこと。
(五) (二)の結果、「一 運営費の使途範囲」から「三 運営費の管理・運用」までに示した範囲を超える支出が行われていた場合には、四月分から翌年三月分までの間の民改費全額について加算を停止すること。
五 その他
本通知中に示した使途等に係る取扱いは、運営費について適用されるものであり、運営費以外の収入については適用されないものであること。
なお、運営費以外の収入のうち、厚生省の所管する補助事業に基づく補助金等については、その事業に応じ、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三〇年法律第一七九号)その他の関係法令及び当該事業の補助要綱等に示された要件の適用があるものであること。
別表1
1 「特別保育事業の実施について」(平成12年3月29日児発第247号。以下「児発第247号通知」という。)に定める延長保育促進事業及び長時間延長保育促進基盤整備事業並びにこれらと同様の事業と認められるもの
2 児発第247号通知に定める一時保育促進基盤整備事業又はこれと同様の事業と認められるもの
3 乳児を3人以上受け入れている等低年齢児童の積極的な受入れ
4 児発第247号通知に定める地域子育て支援センター事業又はこれと同様の事業と認められるもの
5 児発第247号通知に定める障害児保育対策事業又はこれと同様の事業と認められるもの
6 児発第247号通知に定める家庭支援推進保育事業又はこれと同様の事業と認められるもの
7 児発第247号通知に定める休日保育事業又はこれと同様の事業と認められるもの
8 「乳幼児健康支援一時預り事業の実施について」(平成6年6月23日児発第605号)に定める乳幼児健康支援一時預り事業又はこれと同様の事業と認められるもの
別表2
1 保育所の建物、設備の整備・修繕、環境の改善等に要する経費(保育所を経営する事業に必要なものに限る。以下2及び3において同じ。)
2 保育所の土地又は建物の賃借料
3 以上の経費に係る借入金(利息部分を含む。)の償還又は積立のための支出
4 保育所を経営する事業に係る租税公課
別表3
平成 年度収支計算分析表
*12から24の経費等に係る借入金収入がある場合には、その受入額についても収入の欄の計上すること。
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| 管理人:KAKU 更新日:2002/12/01 |